
こんにちは、総務パパです。いつも「総務パパのアウトドアノート」を読んでいただき、ありがとうございます。
皆さんは、今週末に登る予定の山が「火山」かどうか、意識したことはありますか?
実は、日本は世界の活火山の約7%が集中していると言われるほどの火山大国です。私たちが普段から楽しんでいる緑豊かな山々も、過去に噴火を経験した火山であるケースが少なくありません。
ここで少しデータを見てみましょう。直近20年間だけでも、日本国内では登山者や地域住民に影響を与えるような火山噴火が複数発生しています。
【直近20年の日本の主な火山噴火(一部抜粋)】
| 発生年 | 火山名 | 概要・登山や社会への影響 |
| 2011年 | 霧島山(新燃岳) | 52年ぶりの本格的なマグマ噴火。降灰が広範囲に影響 |
| 2014年 | 御嶽山 | 突発的な水蒸気噴火。多数の登山者が被災する戦後最悪の火山災害 |
| 2015年 | 口永良部島・箱根山 | 口永良部島で爆発的噴火(全島避難)、箱根山の大涌谷周辺で小規模噴火 |
| 2018年 | 草津白根山(本白根山) | 突発的な噴火。付近のスキー場で死傷者が発生 |
| 2021年 | 阿蘇山 | 中岳第1火口で噴火。火口から1km以上の火砕流が発生 |
※出典:気象庁「過去に発生した火山災害」などのデータを元に作成
※桜島や諏訪之瀬島など、現在も日常的に噴火活動を続けている火山は他にも多数あります。
このように、火山噴火は決して「遠い昔の出来事」ではなく、現在進行形のリスクです。特に2014年の御嶽山の噴火は、登山中であった登山者に多くの犠牲が出た、記憶に新しい戦後最悪の火山災害です。
私自身、防災士として日頃から災害対策を意識していますが、地元・鹿児島県にある霧島連山など、現在も活動を続けている火山に登る機会が多くあります。
活動中の火山であっても、規制レベルをしっかり守れば素晴らしい景色を楽しむことができますが、だからこそ「万が一の噴火」に対する事前の対策は絶対に欠かせません。
火山登山で最低限知るべき3つの危険と対策
具体的な情報収集ツールの紹介の前に、まずは「火山への登山に潜む危険」についておさらいしておきましょう。火山の噴火に対する登山の対策として、以下の3つは最低限知っておくべきポイントです。
- 火山ガス(硫化水素など)火山ガスは空気より重いため、谷底や窪地に溜まりやすい性質があります。「ゆで卵が腐ったようなニオイ」がしたら、長居せずに風上の高い場所へ移動しましょう。(※霧島連山での登山の注意点としても、火山ガスによるルート規制が頻繁に発生します)
- 噴石(飛散する岩石)噴火の際、最も直接的な危険となるのが噴石です。もし「ドン!」という音や地鳴りが聞こえたら、上空を確認しつつ、まずは岩陰などに身を隠す(初動)ことが命を守ります。火山に登る際はヘルメットの持参を強く推奨します。
- 退避方向の考え方万が一噴火が起きた際、風下に向かって逃げると火山灰や火山ガスに巻き込まれる危険が高まります。基本は「風上」または「風に対して直角方向」へ逃げること。また、登山前に避難シェルターや山小屋の場所を地図で確認しておくことが重要です。
初心者向け!噴火警戒レベルの正しい見方
これから紹介するサイトやアプリを活用する上で、必ず目にするのが「噴火警戒レベル」です。これは気象庁が発表している5段階の指標ですが、登山者が特に意識すべきは「レベル1〜3」です。

※出典:気象庁「噴火警報・予報」より
防災士として強調したいのは、「レベル1だから絶対安全というわけではない」ということです。活火山に登る際は、レベル1であっても常に警戒心を持っておくことが大切です。
これらを踏まえた上で、危険を事前に察知するための「情報収集ツール」をご紹介します。
火山噴火情報のおすすめサイト&アプリ5選
安全に登山を楽しむために、私が普段からブックマークやインストールをしている便利なサイトとアプリをご紹介します。
1. 気象庁「火山登山者向けの情報提供ページ」(Webサイト)

登山計画を立てる段階で、真っ先に見に行くべき公式ウェブサイトです。
- おすすめの理由: 各火山の現在の「噴火警戒レベル」や、立ち入り規制の範囲が地図付きで分かりやすく記載されています。
- ここがポイント: 過去の活動履歴や、現在観測されている火山性地震の回数なども確認できるため、火山の「今の状態」を正確に把握するのに最適です。
- 公式URL: 気象庁HPへ
2. 登山予定の自治体「防災ポータルサイト」(Webサイト)

登る山が位置する都道府県や市町村が運営している公式の防災サイトです。
- おすすめの理由: その地域に特化した、ローカルで実用的な情報が手に入ります。
- ここがポイント: 「〇〇登山口に通じる県道が火山ガスの影響で通行止め」など、より細やかな情報が掲載されています。鹿児島県なら「鹿児島県防災Web」などを事前にブックマークしておくと安心です。
- 公式URL: 鹿児島県防災Web (※登る山のある自治体のサイトを検索してください)
3. Yahoo!防災速報(スマートフォンアプリ)

防災士としても強くおすすめしたい、日常使いもできる総合防災アプリです。
- おすすめの理由: 地震や台風情報だけでなく、「火山情報(噴火速報など)」もプッシュ通知で受け取ることができます。
- ここがポイント: 登山先の地域を事前に「設定地域」として登録しておけば、万が一山に異変があった際に即座にスマホへ通知が届きます。
- 公式URL: Yahoo!防災速報
4. YAMAPやヤマレコなどの「登山地図アプリ」(スマートフォンアプリ)
多くのハイカーが利用しているGPS登山地図アプリも、情報収集の強い味方です。
- おすすめの理由: アプリ内の地図上に、活火山のマークや現在の噴火警戒レベルが表示される機能があります(※アプリによって機能は異なります)。
- ここがポイント: 他の登山者の最新の活動日記から、現地のニオイ(硫黄臭)や噴気の状況など、リアルな口コミ情報を得られるのも大きなメリットです。
- 公式URL: YAMAP / ヤマレコ

5. NHK NEWS WEB「災害・防災情報」(Webサイト/アプリ)

報道機関ならではの迅速な情報更新と、圧倒的な信頼性が魅力のサイトです。
- おすすめの理由: 噴火などの異変が発生した際、ニュース速報として状況を動画や画像付きでいち早く確認できます。
- ここがポイント: サイト内で全国の火山に設置された「ライブカメラ画像」へのリンクなどもまとまっており、登る前の視覚的な状況確認にも非常に役立ちます。
- 公式URL: NHK NEWS WEB
実践編!登山前日・当日のチェック手順3ステップ
ここまでツールをご紹介してきましたが、「結局いつ、どれを見ればいいの?」という方に向けて、具体的な行動導線をまとめました。次回の登山から、ぜひこの順番でチェックしてみてください。
- 【STEP 1】(前日)警戒レベルと規制の確認まずは「気象庁のサイト」で山の警戒レベルを確認し、次に「自治体の防災サイト」で登山口までの通行止めなどのローカルな規制情報がないかをチェックします。
- 【STEP 2】(前日)通知設定をONにする「Yahoo!防災速報」を開き、明日登る山がある市町村を『設定地域』に一時的に追加します。これで登山中の緊急通知を取りこぼしません。
- 【STEP 3】(当日朝)リアルタイムな現地の状況を確認登山口へ向かう車中や直前に、「登山地図アプリ(YAMAPなど)」を開きます。直近で登った人の日記から、「火山ガスが少し臭かった」「立ち入り禁止ロープが張られていた」などの生きた口コミを最終確認します。
まとめ
火山への登山は、地球の息吹を間近に感じられる素晴らしい体験です。しかし、自然の力は私たちの想像を超えることがあります。
「備えあれば憂いなし」です。防災士の目線からも、ヘルメットなどの物理的な装備はもちろんのこと、今回ご紹介したような「スマホの中の情報装備」も最高の安全対策だと言えます。
前日と当日のチェック手順を習慣づけて、安全で楽しいアウトドアライフを満喫してください。


