もうすぐゴールデンウィークですね!夜もだんだんと暖かくなり、星空観察がしやすい季節になってきました。
せっかく気候が良いので、お子さんと一緒に夜空を見上げてみたい…と思うものの、
「子どもと星を見ても、『ふーん』ですぐ飽きてしまう…」
なんてお悩みはありませんか?
ただ光る星を眺めるだけだと、子供はどうしても飽きてしまいますよね。 私も天文台勤務のとき、見学にきた子供たちの気を引くのに必死でした。
そこでおすすめなのが、星座の由来となった「ギリシャ神話の面白い話」を一緒に話してあげること。
星座の神話には、「えっ、そうなの!?」と子供が食いつくような、面白くてツッコミどころ満載なエピソードがたくさん隠されているんです。
今回は、星空を見上げながら子どもにわかりやすく話せる、星座のびっくりエピソードを季節ごとにたっぷり20個ご紹介します!
(※ギリシャ神話には諸説ありますが、今回はお子さんが楽しんで理解できるように、わかりやすくアレンジしたエピソードをご紹介します。)
春の夜空で見つける!星座の面白い話
暖かくなってきた春の夜空には、動物の星座がたくさん!ぜひ探してみてください。
1. おおぐま座・こぐま座

【しっぽが長〜いのは「ポイッ」と投げられたから!?】
動物園で見る本物のクマって、しっぽがとっても短いですよね。
でも、星座の「おおぐま座」と「こぐま座」の絵を見てみると、なぜかしっぽが長く描かれているんです。
実は、一番偉い神様(ゼウス)が、クマたちを空へ持ち上げて星座にするとき、短いしっぽをギュッと掴んで勢いよく振り回し、空へ「ポイッ!」と投げ飛ばしたんです。 そのときの遠心力と勢いで、しっぽがビヨーンと伸びてしまったのだとか。
神様、ダイナミック。
2. かに座

【勇者に踏まれてペシャンコに…ちょっと可哀想なカニ】
大昔、とっても強い勇者ヘラクレスが、恐ろしい巨大な水蛇と戦っていました。
その水蛇と仲良しだった巨大なカニは、「友達を助けなきゃ!」と勇気を出してヘラクレスの足をハサミでチョキン!と挟みました。
しかし、あまりにも強かったヘラクレスは気にも留めず、そのままカニを「グシャッ」と踏みんづけてペシャンコにしてしまったのです。友達思いの優しいカニは、その勇気を讃えられて星座になりました。ヘラクレス、ひどくない?
3. からす座

【昔のカラスは「真っ白」で「美声」だった!?】
今のカラスは全身が真っ黒で、「カーカー」と鳴きますよね。
でも、神話に出てくる最初のカラスは、雪のように真っ白な羽を持ち、人間の言葉を美しく話す特別な鳥でした。
しかしある日、カラスは仕えている神様(アポロン)に、嘘の報告をして怒らせてしまいます。その罰として、美しい白い羽は真っ黒に焦がされ、素敵な声も取り上げられて「カーカー」としか鳴けなくなってしまいました。嘘をついちゃダメだよ、という教訓が込められたお話です。
4. おとめ座

【女神さまが怒って引きこもったせいで、地球に「冬」が誕生した!?】
春の夜空でひときわ輝く星を持つ「おとめ座」は、農業の女神デメテルだと言われています。
ある日、彼女のとても大切な娘が、地獄の王様にさらわれてしまいました。女神は悲しみと怒りのあまり、「もう作物を育てるのはやめた!」と洞窟に引きこもってしまいます。すると、地球上の草や木がすべて枯れてしまい、世界に初めて「冬」という季節がやってきました。 娘が戻ってこられる期間だけ喜んで「春〜秋」になるという、季節の始まりのお話です。
5. かんむり座

【迷路から脱出するヒントをくれたお姫様のキラキラ冠】
U字型に星が並んで、本当に王冠のように見える「かんむり座」。
昔、一度入ったら二度と出られない迷路に、牛の頭をした怪物(ミノタウロス)が住んでいました。そこへ向かう勇者に、あるお姫様が「これを持っていって」と毛糸の玉を渡しました。糸を入り口に結んで進めば、帰り道がわかりますよね。そのおかげで見事に生還した勇者。この優しいお姫様が神様からもらったのが、このキラキラの冠です。
夏の夜空で見つける!星座の面白い話
夏の星空には、有名な「夏の大三角」を作る星々など、見つけやすい星座が揃っています。
6. さそり座

【無敵の強さを誇る狩人を倒した、最強の毒針】
夏の南の空に低く見える、S字カーブが特徴的な「さそり座」。
昔、オリオンという「俺より強いやつはいない!」と威張っている狩人がいました。それに怒った神様が放ったのが、このサソリです。
どんな強い相手にも勝ってきたオリオンですが、この小さなサソリの毒針にチクリと刺され、あっけなく負けてしまいました。
小さくても最強の刺客だったんですね。
7. てんびん座

【昔は独立していなかった!?「さそり座のハサミ」だった星座】
星占いでもおなじみの「てんびん座」ですが、実は大昔は「てんびん座」という星座はありませんでした。
昔の星図を見ると、てんびん座がある場所には、お隣の「さそり座」の長〜いハサミが伸びて描かれていました。
つまり、昔はさそり座の一部だったんです。その後、昼と夜の長さを測る「天秤」に見立てられるようになり、独立して一つの星座になりました。
8. はくちょう座

【親友を探して何度も川へ…心が優しい少年の物語】
夏の夜空に大きく羽を広げる、十字の形をした「はくちょう座」。
太陽の馬車から川に落ちてしまった親友を助けるため、何度も何度も川に潜って探したキュクノスという少年がいました。
「どうしても親友を見つけたい」という彼の優しい心と必死な姿に感動した神様が、川を泳ぐのが得意な「白鳥」の姿に変えて空へ上げたと言われています。
9. いるか座

【海に落ちた音楽家を助けた、とっても優しいイルカ】
昔、有名な音楽家が、海賊に襲われて船から海に投げ出されそうになりました。
「最後に一曲だけ歌わせてほしい」とお願いし、彼が美しい音楽を奏でると、その音色に惹かれてたくさんのイルカたちが船の周りに集まってきました。
そして海に飛び込んだ音楽家を、一匹のイルカが背中に乗せて、無事に岸まで送り届けてくれたのです。動物の優しさが伝わる素敵なエピソードですね。
10. こと座

【地獄の王様さえも大泣きさせた、天才的な音楽家の竪琴】
夏の夜空で明るく輝く「こと座」は、天才音楽家が弾いていた「竪琴(小さなハープのような楽器)」です。
彼は亡くなってしまった奥さんを生き返らせるため、恐ろしい地獄へ向かいました。そこで彼が竪琴を弾いて悲しい歌を歌うと、なんと恐ろしい地獄の王様や怪物たちまでもが感動して大泣きし、「奥さんを連れて帰っていいよ」と特別に許してくれたのです。
しかし。
「地上に出るまで決して後ろを振り向いてはならない」という条件を付けられ、「もうすぐ地上!」というところ耐えきれず振り向いてしまいます。その瞬間!奥さんは冥界に引き戻され、もう二度と冥界に行くことができなくなってしまいました。ひどい。
11. わし座

【一番偉い神様のパシリ…じゃなくて、雷を運ぶカッコいい使い鳥!】
夏の夜空の「わし座」は、一番偉い神様(ゼウス)のそばにいつもいる、とても立派なワシです。
このワシはただの鳥ではなく、ゼウスの大切な武器である「雷(イカズチ)」を運ぶという超重要なお仕事を任されています。また、ゼウスが「あの子を連れてきて!」とお願いしたときには、ビューンと飛んでいって背中に乗せてくるなど、神様の一番の右腕(というか究極のイエスマン)として大活躍していました。
秋の夜空で見つける!星座の面白い話
秋はちょっぴり不思議でファンタジーな神話を持つ星座がたくさん並びます。
12. ペガスス座

【恐ろしい怪物を倒した瞬間に飛び出してきた、空飛ぶ馬!】
秋の星空で見つけやすい、大きな四角形が目印の「ペガスス座」。翼を持つ白い馬ですが、その誕生はちょっとホラー。
髪の毛が毒蛇でできている「メドゥーサ」という恐ろしい怪物がいました。勇者がその怪物を倒した瞬間、なんと怪物の体からパッと飛び出してきたのが、このペガススだったのです!怖い怪物からこんなに美しい馬が生まれるなんて、びっくりですよね。
13. ペルセウス座

【空飛ぶ靴で駆けつけるスーパーヒーロー!】
「ペルセウス座」は、神話の世界のスーパーヒーローです。
彼は、魔法のアイテムである「空飛ぶ靴」を履いて空を飛び回り、「透明になる帽子」を被って敵の目をくらませます。
ある日、海辺でお姫様が巨大な化け物くじらに食べられそうになっているのを発見。彼は空から急降下して怪物を倒し、見事にお姫様を救い出しました。
14. みずがめ座

【神様たちの宴会でジュースを注ぐためにスカウトされた男の子】
「みずがめ座」は、水瓶からジャバジャバとお水を注いでいる人間の姿をした星座です。
このお水を注いでいるのは、地上で一番イケメンだったと言われる少年ガニュメデス。
神様たちは、天界で開かれる宴会で美味しいお酒(神様の飲み物)を注ぐ係を探していました。
そこで白羽の矢が立ったのが彼。神様にスカウト(半分誘拐)され、今でも星空で一生懸命お水を注ぐ係を務めています。
15. やぎ座

【上半身はヤギ、下半身は魚!?変身に失敗しちゃった神様】
「やぎ座」の姿はかなり変です。上半身は立派なヤギなのに、下半身はなんと魚のしっぽが付いています。
ある日、神様たちが川辺で楽しい宴会をしていると、突然恐ろしい怪物が現れました!ヤギの頭を持った神様も、慌てて川に飛び込んで魚に変身しようとしました。でも、あまりにも焦りすぎて、水に浸かっていた下半身だけが魚になり、上半身はヤギのまま固まってしまいました。つまり、変身の失敗。ちょっとドジですね。
16. うお座

【しっぽがリボンで結ばれているのは「迷子防止」だった!】
「うお座」をよく見ると、2匹の魚のしっぽが、長いリボンのようなものでしっかりと結ばれています。
これは、愛と美の女神とその子供が、恐ろしい怪物から逃げるために川に飛び込んで魚に変身したときのお話。川の流れが速くても「絶対に離れ離れにならないように!」とお互いのしっぽをリボンで結び合ったんです。親子の「絶対に迷子にならないぞ」という工夫が残っているんですね。
17. おひつじ座

【背中に乗せて空を飛ぶ!金色の毛を持つ魔法の羊】
「おひつじ座」は、ただの羊ではありません。なんと、全身がピカピカの「金色の毛」で覆われた、空を飛ぶ魔法の羊なんです。
ある国で、命を狙われていた幼い兄と妹がいました。それを見た神様が、二人を助けるためにこの金色の羊を遣わしました。羊は二人を背中に乗せると、ビューン!と空高く飛び上がり、遠くの安全な国まで逃げ切ったそうです。
冬の夜空で見つける!星座の面白い話
冬は明るい星が多く、星座の形が一番ハッキリとわかりやすい季節です!
18. オリオン座

【夜空の追いかけっこ!オリオンが逃げ回る理由】
冬の代表「オリオン座」。実は夏の「さそり座」とは絶対に同じ空には並びません。
夏の星座で紹介した通り、力持ちのオリオンは小さなサソリの毒針に刺されて負けてしまいました。星座になった今でも、オリオンはサソリが怖くてたまりません。東の空からサソリが昇ってくると、オリオンは「逃げろ〜!」と慌てて西の空へ沈んで隠れてしまうのです。
19. おおいぬ座

【「絶対に捕まえる犬」vs「絶対に逃げ切るキツネ」】
冬の夜空で一番明るい星を持つ「おおいぬ座」は、足の速い犬がモデルです。
神話には「狙った獲物は絶対に逃がさない犬」と、「誰に追われても絶対に逃げ切るキツネ」が登場します。ある日、この2匹が追いかけっこを始めてしまいました。絶対に捕まえる犬と、絶対に逃げ切るキツネ…勝負は永遠に決着がつきません。困った神様が、2匹をそのまま「石」に変えてしまい、犬の方を星座にしたと言われています。
20. ふたご座

【双子なのに「人間」と「神様」!?】
冬の夜空で仲良く並んで輝く「ふたご座」。神話ではとっても仲良しの双子の兄弟です。
でも実は、お兄ちゃんは普通の人間で、弟は不死身(絶対に死なない)の神様という不思議な設定です。
ある日、戦いでお兄ちゃんが命を落としてしまいます。悲しんだ弟は、「自分の命(不死身の力)を半分あげるから、ずっとお兄ちゃんと一緒にいさせて!」と神様にお願いし、二人は一緒に星座になりました。
星空観察のコツ
以下記事でわかりやすく解説しています。星空アプリの紹介も。
キャンプの天体観測は望遠鏡不要!スマホと裸眼で楽しむ初心者・ファミリー向け星空体験
子どもとの星空観察が劇的に快適になる!おすすめアイテム
星座の面白い話のネタを仕込んだら、いざ星空観察へ!
子どもと一緒に夜空を楽しむなら、以下のアイテムがあると「すぐ帰りたい…」と言われず、長く快適に楽しめますよ。
1. 星を探す宝探しゲームに!「星座早見盤」
スマホのアプリも便利ですが、子どもには紙の星座早見盤を渡してあげるのが圧倒的におすすめ!くるくる回して「今の時間はどの星が見えるかな?」と自分で探す体験は、まるで宝探しのようで夢中になってくれます。
2. ゴロンと寝転がれる「厚手レジャーシート」
ずっと上を向いていると首が痛くなってしまいます。クッション性のある厚手のレジャーシートを持参して、家族みんなで寝転がりながら夜空を見上げるのが最高の星空観察スタイルです。
3. 暗闇でも眩しくない「赤色LEDライト」
星空を見るとき、普通の白いスマホのライトをつけると目が眩んで星が見えなくなってしまいます。星空観察には、目に優しい「赤色LED」のライトやランタンを用意すると、手元も見えて安心です。
まとめ:今夜はどれを探す?
今回は、子どもが喜ぶ星座の面白い話・ギリシャ神話のエピソードをご紹介しました。
天文台勤務時代、子供に、
「あの星座のクマはね、神様にしっぽを掴まれてブンブン投げられたから、しっぽがビヨーンって伸びちゃったんだよ!」
「なにそれ!?」とバカにしながらも、一生懸命夜空のクマを探してくれました。
ただ星を見るだけではなく、こうした「体験」や「物語」が加わると、子どもの記憶にずっと残る素敵な思い出になります。
今の時期なら、春の「おおぐま座」や「かに座」が夜空高くに見つけやすいです。
ぜひ今度の週末は、星座早見盤とレジャーシートを持って、ご家族で楽しい星空観察に出かけてみてくださいね。


